発達障がいの子どもは、目が合わない、反応が薄い、言葉を話さないなど、人と関わろうという意欲が見えにくいことがありますよね。
「聞こえてますかー?」「どう感じていますかー?」「気持ちを教えてくださーい!」って、子どもの目の前でブンブンと手を振りたくなります(笑)
今回は、意思や気持ちがうまく伝えられない子どもの対応方法を4つのステップ別にお伝えします!
1番大事なことは、とにかく子どもの言いたいことを大人がどんどん言葉にしていくことです!それでは詳しく見ていきましょう♪
伝えようと思いにくい
1つ目は、子どもがあなたに伝えたいと思っていない場合です。
もともと人への関心が薄い子どもだと、1人遊びが多く大人に何かを伝えるということが少ないです。
まずは子どもが「伝えたい」と思えることが必要です。
そのためには、あなたが子どもにとって自分のことを分かってくれて安心できるかどうかが大切になってきます。
子どもがしている遊びを隣で一緒に見ながら「くるまブッブーしてるの?」「これはクレーン車?これは何かな?」など子どもの興味に沿った声かけをしましょう。
反応がなくて独り言のようになってもいいんです!なるべく子どもの視界に入って話しかけるとなお良いですね。自分に興味を持ってくれてると感じると、ちらっと目を合わせるなんてことが増えてくると思います。
また、飲み物や食べ物などを子どもが取ろうとする時、それを「お茶がいるんだね、お母さん(先生)取るよ!」などと本人のして欲しいことを察してその場で対応すると、”分かってもらえた”と感じやすいです。
場合によっては好きな玩具などをあえて届かないところに置いて要求表現を引き出させる…といった方法も聞かれますが、私はあまりおすすめしません。
わざわざ届かなくしているのって子どもは察知しますし、”取ってもらえた!”よりも不信感が増してしまうと思います。そしてやっぱり自分で取ろうとなってあらゆるところにのぼる未来が想像できます。
そうやって視線や仕草からしてほしいことを察して「○○してほしいんだね」と代弁しながら応えていると、少しずつ本人も発声やジェスチャー、指差しなどで伝えてくれるようになっていくと思います。
目が合いにくいなど人への興味が薄い子どもは時間がかかると思いますが、辛抱強く続けることが大事です。絶対に耳では聞いていて、分かっています!
何を伝えたらいいか分からない
2つ目は、伝える必要性を感じていない場合です。
この場合は大人が先回りして子どもの要求に応じていることが多いかもしれません。自分から要求しなくても叶ってしまうので、伝える必要性を感じにくいのです。
先ほどのお茶などの例で言うと、視線などでお茶が欲しそうだなと分かったらすぐに取ってしまうんですね。お菓子や玩具でも毎回2つから選んでもらうやり方をしている場合などは選んで手で触ればいいだけなので言葉にする必要を感じにくいです。
まずは先回りをせず本人の意思表示を待つことが必要です。
要求の言葉を代弁するときには簡単な言葉を選び、毎回同じ言葉を使いましょう。例えば「あけて」「ちょうだい」「かして」などです。
また、基本的なやりとりとして毎日のあいさつを習慣にすることも始めてみましょう。
朝は「おはよう」、ご飯を食べる時は「いただきます」など、日常のあいさつを毎日繰り返すことで言葉を覚えていきます。歌や手遊びなどで楽しく言える工夫があればより楽しんで覚えられますね!
大人がたくさんかけてきた言葉は本人がまだ発せなくても、必ず「内言語」として理解しています。
言葉で言おうとしてくれた時、言ってくれた時には積極的に褒めましょう。伝わった喜び、褒められた喜びを感じ、コミュニケーションの楽しさを知るはずです。
無理に「これ言ってみて」「もう1回言って!」などと促すのは逆効果になることもあるので注意しましょう。
どう伝えたらいいか分からない
3つ目は、伝え方が分からない場合です。
表現の仕方がわからなかったり知っている言葉の数が少なかったりする場合は、子どもが言いたいことを大人が言葉にして代弁しましょう。
繰り返し伝えることで、「こういう時にはこう言えばいいんだな」と分かってくるようになります。代弁するだけでなく大人が一緒に言ってみることも伝え方の練習になるかも知れません。本人が発声しているかどうかは問題ではありません。「せーの、お茶取って〜!」などと一緒に言うことを楽しみましょう。
感情などを言葉にしている絵本を読み聞かせることもいいでしょう。実際にそのような絵本を指差しすることで気持ちを伝えてくれる子もいます。
言葉よりも行動が先に出てしまう
4つ目は、言葉よりも行動が先に出てしまう場合です。
例えば友だちが使っている玩具を自分も使いたい時に何も言わずに取ってしまうなどです。こうなってしまうことの多い子どもは友だちとの間でトラブルが起こりやすくなってしまいます。
例に挙げた玩具のやりとりの場面では、子どもが玩具を取ろうとしているのが分かったら間に入りすかさず「かして」と言葉を添えます。「これ使いたかったんだね」と気持ちは受け止めつつ、「使い終わったら貸してもらおう」「時計の針が○になったら貸してもらおう」など順番に使えるような提案をしましょう。
そうなると本人は「うわーーー使いたかったーーーー」と激しく抵抗するでしょう。そこは落ち着いたトーンで慰めながらその時を待ち、貸してもらえた時には一緒に喜びます。
「ちゃんとあなたの味方をするよ」ということと「でもあなただけでは使えないよ」ということを伝えながら繰り返すことで、自分にも順番が回ってくることを理解できるようになります。
まとめ
いかがだったでしょうか。それぞれの対応策をまとめますね。
伝えようと思いにくい子どもには、できる限り興味関心や要求に沿ってはたらきかけ、”分かってもらえた!”を積み重ねます。
何を伝えればいいか分からない子どもには、あいさつや要求表現などを中心に、分かりやすい言葉で繰り返し聞かせます。
どう伝えたらいいか分からない子どもには、子どもの気持ちを代弁しながら、一緒に言ってみようと誘いかけます。
言葉よりも行動が先に出てしまう子どもには、トラブルになる前に間に入って言葉を添え、慰めながら言葉で伝えれば分かってもらえることを示します。
どのパターンかを見極め、対応の参考にしてみてくださいね。
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