発達についての気になることや悩みを聞いていると、やはり多いのは「言葉」の発達についてです。
言葉の発達はどのような道筋をたどるのか、発語がない場合にはいつから言葉が出るようになるのかなど気になることはたくさんありますよね。
療育に通ってくる子ども達の中でも、1歳半健診や3歳児健診などで「言葉の遅れ」の指摘を受けたことがきっかけで通い始めるケースが増えてきているように思います。
「言葉の遅れ」とは、その年齢での平均的な発達に比べると言葉の発達が遅れているということなので、この時点でイコール発達障がいなどと断定はできませんが、保護者の心配は大きいと思います。そこで、今回は言葉の発達に必要なことをお伝えします。
言葉の発達に必要な3つの要素
「言葉」が育つために必要な要素は3つあります。
- 伝えたい内容
- 伝えたい相手
- 伝える手段
です。
つまり、「この人に こんなことを 伝えたい!」と子どもが思う人間関係を築くことが、言葉を育てる近道です。では、子どもが「伝えたい!」と思う人とはどのような人でしょうか。
それは、
- 好きなことを一緒にしてくれる人
- 困った時に助けてくれる人
です。
好きなことを一緒にしてくれる人とは、子どもと「楽しい!」を共有できる人です。子どもが好きな遊びを見つけずっと繰り返し遊んでいる時、大人の方は早くに飽きてしまって「1人でやってていいよ…」となってしまっていませんか?子どもたちは同じやりとりを繰り返す中で言葉を聞き、覚え、自分のものにしていきます。
“いないいないばぁ”が良い例です。小さい頃から色んな人に「いないいないばぁ」とあやされ、それを何度も見て覚え、少しずつ手を使って自分もやってみようとし、最後には「ばぁ」という発声もセットでできるようになりますよね。
言葉を覚える時にはこのように何度も繰り返し見聞きし、物事と言葉を関連づけながら覚えているんです。
困った時に助けてくれる人とは、例えば”こうしたいのに上手くいかない…”という時にサポートしてくれる人です。
例えば、ブロックをくっつけたいけど難しい等を解決してもらえた時に、”そうなんだよ!ありがとう””また困った時には助けを求めてみようかな”と思うようになり、「伝えたい相手」になっていきます。
そのうち「伝えたい内容」をより細かく伝えるために、手を引いて目的の場所へ連れていってくれたり、指をさして対象物を教えてくれたり、それが「あ」「あった」「どーぞ(ちょうだい)」などの言葉になっていきます。
このような関係を築いていくことで言葉でのやりとりが、楽しい・嬉しいものになり、次第に言葉で伝えるようになってきます。
言葉だけを教えようとすると…
しかし、大人はついつい「言葉」そのものを教えようとしがちです。全く意味がないわけではありませんが、なかなか大人の期待するようにはいかず、知らん顔をしたり聞き流したり、場合によっては口を塞いだりするのではないでしょうか。
楽しくもない方法で教えようとしたのは大人なのに、このような反応を見て「言葉を理解できない、分からない子」「発達が遅れてるから、障がいがあるから仕方がない」などと子どもを原因にしてしまっていませんか。
心地の良い言葉、悪い言葉
子どもは大人がかけてくれる言葉が心地の良い言葉なのか、悪い言葉なのかをしっかり区別して聞いています。
ですから、上記の”言葉を学ばせよう”という意図が見える言葉かけは「心地の悪い言葉」と判断しよい反応が返ってこなかったり、むしろ反発するような態度になるのでしょう。
心地の良い言葉をかけてもらった時には、”そうなんだよ!”と分かってもらえた嬉しさから体の力が抜ける、視線が合う、ニコッと笑う、うなずくなどの反応が見られると思います。
子どもにとってどんな言葉かけが心に響くのか、ぜひ子どもの立場に立って想像してみてください。そして、言葉をかけた時の表情や行動で思いを確認することが大切です。
はじめは「反応を見ても分かりにくいな…」と思うかもしれません。また、1人の視点だけでは気づきにくいこともあると思います。そんな時には周りの大人で共有しながら見ていくことも必要です。
身近に相談・共有できる人がいないという方は、ぜひ1度私にお子さんの様子を教えてください一緒に考えさせていただきます!
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コメント
ウチの末っ子が自閉症で言葉が全然でなくて悩んでます。
もう一生この子とは話せないのかなぁ~と思ったり…
子供との良い関係性を築くことが、言葉を育てる近道って
いうのに「ハッ」って気づきました。
考えてみれば当たり前のことなのに、もう視野狭窄状態でした。
もうちょっと、どっしり構えていこうと思います。